PRESS vol.1
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2003.09 徳間書店 GoodsPress EX.季刊誌「SOLID」 Vol.3より
 開店して5年。店構えは小さいながら、四国・徳島のファッションを牽引するのが久米誠司さんが経営するオーダーショップ「セレクシオン」。
 久米さんがアパレル業界へ入ったのは20歳のとき。当時ニッポンは世を挙げてのDCブランド・ブーム。久米さんが最初に勤めたのも某人気国産DCブランドの
ショップだった。そこでおよそ6年間働いた久米さんは、25歳の時、某大手アパレル・メーカーが当時、全国展開していたパターンオーダー・ショップの徳島店
スタッフとしてスカウトされる。ここで既製服からオーダーメイドの世界へ転身した久米さんは、この世界に独特のノウハウとコネクションを体得。31歳のとき
についに独立し、徳島駅にほど近い現在の場所に、「セレクシオン」をオープンさせた。
 とはいえ、久米さんの胸の中にあった理想のショップは、単なるオーダーメイドショップでも、気取ったテーラーでもなかった。「オーダーメイド・アイテムを
中心としながらも、自分の提案するブランドを集めたショップを開きたい」つまりそれは店主の趣味と経験に基づいて構築された一種のセレクト・ショップ。
その思いは店名である「セレクシオン」にはっきり表現されている。
 だから扱いアイテムに妥協はない。グローブトロッターのトランク、ホワイトハウス・コックスの革小物、ドレイクスのネクタイ、ステファノ・ブランキーニの
靴、ドープ+ドラッカーのジーンズなど。店内は久米誠司のテイストが凝縮された、さながら彼の小宇宙である。
 そこで今回、出展のコート。みかけは非常にオーソドックスながら、随所にセレクシオンならではのセンスと主張が込められた自信作である。
 「このコートは当店で言う『サルトリア・モデル』に属するもの。このラインの最大の特徴は、お台場や肩パットなど、余分なものを一切省き、背骨に服の重心
を納める事で重量を感じさせない軽い着心地を実現しているところです。このコートもスーツ同様に肩パットの代わりにイタリア・ベルテロ社製の毛芯を入れ、す
べての縫製工程ごとにプレスを施すことで立体感を生み出しています。また、縫製はラペル(襟)、肩、腰、前ダーツ、脇線、背中央、外袖、肩線、パンツ脇線な
どを肩倒しすることで、よりすっきりと仕立て上がるよう配慮。ボタンは本水牛を採用。サンプルはクロス留めですが、ひとつの穴から3方行に縫いつける鳥足留
めも可能です。」(久米さん) と、随所に久米さんの洋服観と世界観が込められたこのコートからわかるように、セレクシオンは顧客の注文通りに仕立てるだけ
でなく、非常に明確な主張とスタイルを持ったオーダー・ショップである。それを知るには、ウェブサイトをチェックすることをお薦めする(URLは住所の項を参
照)。そこではサルトリア・モデルを初め。ブリティッシュ・スタイルを追求した「サヴィルロー・モデル」(6万3000円〜)、遊び心あふれる着こなしを体
感する「クラシコ・イタリア・モデル」(7万3000円〜)、カジュアルなブライダル・スタイルを提案する「ブライダル・プラン」(6万8000円〜)など
セレクシオンが提案する数々のスタイルを見ることができるはずだ。
                                                                      本文より
暖かく、しかも肩のこらない
カシミア使いのクラシコ・イタリア・コート
主要部分のステッチは「片倒し」といって合わせた生地を
片側に倒し、フラットに仕上げる手法が採用されている。
縁は裏地を使って丁寧なパイピング処理が施されている。
徳間書店 GoodsPress EX.季刊誌「SOLID」 Vol.3
高級仕立て服につきものの「お台場」をあえて採用せず、
共布による「モミ玉縁」という仕様にして余分な生地使いを
極力、排除。これにより軽量な仕立てが可能となった。
(右上)店名には”ファッションをトータルで提案できる
セレクトショップ”という思いが込められている。
(左上)エルメネジルド・ゼニア、ロロ・ピアーナ、
ドラッパーズといった一流生地を用意。
このような高級生地を扱うのはかなり難しいだが
久米さんの努力と人脈が可能にした。
(左下)ビスポーク・クチュール・セレクシオン
〒770-0832 徳島県徳島市寺島本町東1ー15
 エ088-655-3420
店内は決して広くないのだが、白い壁と
それにかけられたサンプル・スーツを効果的に
利用して奥行き感を巧みに演出。
こういったディスプレイにも久米さんの
センスが光る。